No.32  2019 ウィンターギアレビュー

フィットウェル ビッグウォールロック『ウィンター』 - フィットウェル製ブーツを初めてKさんから教えてもらって数年経ちますが、それ以来僕の必需品になっています。ビッグウォール、ビッグウォールグリップ、ビッグウォールロックと履き替えてきて、今度の冬はビッグウォールロック『ウィンター』と共に過ごしました。フィットウェルはハンドメイドのイタリア製で良質の素材を使った高品質な製品でツリークライミングに非常に適しています。この『ウィンター』は特にスパークライミングによくマッチします。しっかりした作りなのに軽量、革製シェルの内側に防水透湿性のeVent素材が使われています。『ウィンター』は通常のビッグウォールロックの内側とソールにレイヤーがもう1枚増やされています。僕は一つを春から秋に、『ウィンター』を寒い長野の冬用に使い分けています。

マーロー『ヴェガ』- マーローは1957年に創立したイギリスのロープメーカです。マーローの『ゲッコー』や『ヴェガ』はイギリスでは長い間人気のクライミングロープです。この2つのロープは品質が高くまた独特な編み方でよく知られています。 ヴェガは伸びの少ないSRT、DdRTロープとして開発され、メカニカルクライミングギアに非常に適しています。スプライス方法は独特ですが簡単に覚えられます。軽量かつ体重を掛けても扁平になりにくいロープです。他のSRT向きロープより柔らかいのでノットも縛りやすくなっています。

ツリーモーションEVO - 最初のツリーモーション は2008年に発売されましたが、それ以来その容易なセッティングとギヤラックのアレンジが自分の好みで作れることから、トップレベルクライマーのみならずビギナーにまで人気が広がりました。その装着感の良さと作業中の動き易さは高い価格にも拘らず使用する誰もが認めざるを得ないところです。 磨耗の激しいヒップのウェビング、脚のウェビング、ロープブリッジの3ヶ所が交換可能という優れた設計がされています。レッグパッドとウェストパッドには各クライマーが各道具を欲しい場所に付けられる自由なアレンジができるのでハーネスを自分の仕事に最適なワークベンチにする事が可能です。発売後同じデザインのまま10年が経ったのち、さらにそれぞれの必要や特に安全衛生基準に適合できるようツリーモーション は改良が施されました。 正面のDリングは3種類のブリッジが付けられるようになっています。まず従来のロープブリッジがダブルでノットによって長さを調節できるタイプ、2番目は両側にアイが付いたロープタイプ、3番目がウェビングタイプです。

ブリッジに取り付ける『トランスフォーマー』という部品ももうすぐ販売されます。これを付けるとツリーモーション が更に使い心地良いハーネスになるというものです。

4SRT バードフラップ

この簡単なオプションをロープランナーに取り付ければ、親指の痛みがかなり軽くなります。

DMM 『エキセントリック』ヒッチクライマープーリー 

ツリークライミングは基本的に三次元的な動きになります。ロープがクライミングギアをスムーズに流れるかどうかがクライミングを楽にするカギになります。クライマーの動く方向によってはロープとデバイスに摩擦が生じ、それによってクライマーの動作にブレーキが掛かります。それを緩和する道具として現時点ではヒッチクライマープーリーがより優れています。最初のヒッチクライマーはシーブが今のモデルより若干小さめでしたが約5年前に今の大きさに変わってスムーズさが増しました。左右対称の形によりどちらの方向にも装着できましたが『エキセントリック』は対称ではなくなりました。下方が張り出した形になってロープはほぼ全方向からスムーズに流れ込むようになりました。上方はより平らになってヒッチを素早くそして垂直に押し上げるようになりました。シーブの軸も中心より若干上にずらした事でロープの流れをよりスムーズにしています。クライマーにより大きな自由をもたらすデバイスと呼んでいいのではないでしょうか。

DMM リボルバーリグ & Petzl ロールクリップ Z

この2つの新しいデバイスには様々な使い方ができますが、今回は1つだけ紹介します。それは2つのアンカーポイントを作った時の使い方です。DdRTのオプションで『Vリグ』というセッティングです。SRTでは平安な世界(Peaceful World) と呼ばれるテクニックです。とてもシンプルで安全に使えます。リボルバーリグが他の類似したプーリーより優れた点は、この上に他の器具を簡単に取り付けられる事でしょう。Vリグの場合はヒッチコードが取り付けられる事です。ロールクリップZも同様に使えてより軽量に出来ています。

ベネットフック - https://youtu.be/UFAEDX9LN_U

モーガン トンプソンさんはユニセンダーの発明によってツリークライミングの世界を変えましたが、今度は『ベネットフック』の発明でトラバースの世界を変えました。今までのフックでは掛けられなかった30cm程度の枝又(もしくは又でない所)にまでこのベネットフックは掛かります。掛かってしまえば、ロープで締め込む構造により右方向にも左方向にも体重を掛ける事ができます。セッティング方法も革新的ですが、掛けようとする枝の下方にはある程度のスペースが必要で、小さい枝があると邪魔をして掛けにくくなります。僕の意見ではベネットフックはある程度大きくなったケヤキのような木に最適だと思います。トラバースの他、困難な作業の時に第3のアンカーとしても使っています。近い距離ならばどんな木にも簡単に取り付けられるからです。特にSRTでユニセンダーと共に使えば最高です。他のフックより重いので地上に降りてからの回収も簡単にできます。

​ユニセンダー

世界初のDdRTにもSRTにも使えるハイブリッドなデバイスです。モーガン トンプソンさんによって2005年に作られ2010年からはロック エキゾチカが製造しています。アルミ製のためロープを傷めにくく、よって摩耗しやすいのですが比較的安価で部品交換ができます。僕は2007年にモーガンさんから最初のユニセンダーを買ったのですが、2018年11月のTCIA博覧会で本人に会う事ができました。彼は非常に素晴らしい人格者ですから、みんな絶対ユニセンダーを持つべきだと思います!

八戸市森林組合チェーンソーパンツ

これを書いている時点(2019年2月)では、まだ完成を待っている状態です。春には完成する事を期待しています。実際完成を切望しています。というのも試作品を履いてみたら非常に素晴らしく、今使っているパンツはもう履きたくないんです。開発に当たってはマルイチのみんなで色々とデザインのアイデアを提供してきました。不要なポケットの排除がその一つ、ポケットは余分な層を増やして熱をこもらせます。他にもスネの部分を細くしてフットアッセンダー の邪魔にならないようにしたりカラーもシンプルにブラックとグレーにして滑稽にならないようにしたり。試作品はヨーロッパ規格のテストを受けています。サイズは M、S、L 、XL の4サイズ、アメリカとヨーロッパ市場向けに股下の長いバージョンも用意する予定です。

ウェーバー クレーンバッグ

スタインが作った唯一まともな商品がクレーンバッグでしたが、製造中止になってしまいました。幸いウェーバー社が引き継いで製造してくれています。このバッグはスリングがクライマーに降ろされる間、それが枝に引っ掛かるのを防いでくれる優れものです。

ウェーバー グラフィックバッグ

HAASのマイケル フランクハウザーがデザインした美しいロープバッグです。細部にこだわった作りで機能的です。下部の厚い部分は折り畳めて収納しやすく、中心部は軽量で伸縮性があります。ここはオリジナルデザインをプリントしてくれます。腰のあるウェビングの縁取によってしっかり自立します。上部は革製のバンドでバッグの口を開いてくれます。これに丈夫な袋部分、リベット、コード、丈夫で持ちやすいハンドルが付きます。ODSKで会長(お母さん)の顔をプリントしたのを作って欲しいな!

ヒップスター ランヤード - 11.5mm (グリーン) と 12.7mm (オレンジ) のCEランヤード最新モデル。 今までの10.5mmと比べ握りやすくなり、手から上腕にかけての負担が少なくなりました。