No.33  世界のSRTテクニック(1)

2018年、Wooden Hand は日本、ドイツ、ニュージーランド、イギリス、アメリカのクライマー達10人のSRTを紹介した小冊子を出版しました。​これから毎月彼らを一人ずつこのページで紹介していこうと思います。

‘Cake and Eat it’ ベン ローズ(イギリス)

「僕はよくノットブロックした短いラインを幹に縛ったアクセスラインを使って回収します。時々回収する前にアクセスラインのエンド同士を縛っておきます。そうしておけばカンビアムセーバーが引っ掛かった場合このループにしたアクセスラインを上って回収することができるからね。」

「もっと長いロープを使う場合はロープを2つ折りにしてフィギュア9ノットで止めればいいよ」

 

SRTがアクセスのみならず樹上作業にも用いられるようになってから、安全面で役に立つ『アクセスライン』が使われなくなってきました。何故ならロープ1本あればアクセスもワークポジショニングも全て間に合ってしまうからです。SRTによるシステムの簡素化が注目される今、ベンがアクセスラインの利用について語ってくれたことはとても嬉しいです。

アクセスラインの利用法はいくつもありますが、リング&リングとノットブロッキングで構成されたSRTシステムの回収に利用するのは格好良くて簡単だ。リング&リング(カンビアムセーバー)は強力なツールです。ベンが説明するように短いロープを使っても長いロープを2つ折りにして使っても使いやすく安全なシステムにセットできます。

 

‘Cake and Eat it’ はイギリスの古い諺 ‘You can’t have your cake and eat it’(ケーキを残したければ食べることはできない、ケーキを食べたかったら残すことはできないー2つの相反することを同時にするのは不可能)から名付けたのですが、ベンのテクニックはそれを可能にしてくれます!