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No.9 トランクアンカー2種

トランクアンカーはシングルロープクライミング(SRT)のセットで使われるアンカーです。トランクアンカーには以下の利点があります。
1、コネクターを使用しないので失敗が少ない 
2、ロープを切断しなくてもレスキュー出来る
3、ロープの追加が簡単
4、軽量
5、トランクビレーに変更できる

シングルロープクライミングは早く登れてとても便利です。ロープは幹から離れている必要がないため簡単にセットができ、トランクアンカーのタイオフ(解除)も簡単です。

タイオフの方法は何種類もありますが、ビレーの方法を取り入れると『トランクアンカー』から『トランクビレー』にチェンジできます。

『トランクアンカー』は定義すると”動かない”システムですが、『トランクビレー』は“動かせる”システムですから、これを使ってレスキューが可能になります。
 
紹介する2つのトランクアンカーはSRTのワークポジショニング用のアンカーです。横方向荷重が掛かる可能性を持つカラビナを使わないのが特徴です。

シンブルアンカー(写真上)
このアンカーは8mm径のヒッチコード(約2m)と2個のDMMリングで作ります。ダブルフィッシャーマンで結びます。

荷重リリースアンカー(写真下)
このアンカーは8mm径のヒッチコード(約7m)とDMMリング1つ、または小さなリギングハブで作ります。

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まずシンブルアンカーのセットアップを説明します。

1)ロープを片方のシンブルに通してからロープエンドにスローラインを取り付けクライミングロープを引き上げます。

2)ロープをタイインポイントに掛けたらマーリンスパイク・ヒッチをシンブルの下に作りシンブルをぶら下げます。
ロープを幹の回りに巻いてフリクションを作ります。樹皮のザラツキ具合、幹の形や直径に応じて巻き数を加減します。自身がない時は1巻き余計にしましょう。
マーリンスパイクを解いてから幹にいたロープのたるみを取ります。

3)ロープをバイトにして(折り曲げて)もう片方のリングに通したら、そこに抜け止めのデイジーチェーンを6回またはそれ以上作ります。

4)最後のループはロープエンドを全て通して抜けないようにします。

5)この時点でこのシステムは荷重の移動が動かせないトランクアンカーになりました。

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次に荷重リリースアンカーのセットアップを紹介します。

1)ロープをアンカーリングに通してエンドにスローラインを取り付けクライミングロープを引き上げます。

2)ロープをタイインポイントに回しマーリンスパイク・ヒッチをアンカーリングの下に作ります。

3)ロープを幹の回りに巻いてフリクションを作ります。樹皮のザラツキ具合、幹の形や直径に応じて巻き数を加減します。自身がない時は1巻き余計に巻きましょう。

4)マーリンスパイクを外してから幹に巻いたロープのたるみを取ります。

5)7mプルージックコードをクライミングロープに6-8巻きしてクレムハイスト・ヒッチを作ったら、エンドをアンカーリングにムンタヒッチで結びさらにマリナーズ・ノットとデイジーチェーンで固定します。

6)クレムハイストの下にストッパーとしてバタフライ・ノットを作ります。

この時点でこのシステムは荷重の移動が出来ないトランクアンカーになっています。

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『トランクアンカーからトランクビレーへの移し方』も今後お伝えしていきたいと思います。

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