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​No.14  リギング現場レポート 1

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僕たちは2013年8月23日から27日までJR中央線沿線の支障木撤去を依頼されました。

20,000ボルトの電流が流れる送電線の上方に木がもたれています。

その木をかろうじて止めている1本にクライミングアンカーを取りたいのですが二股になった部分が裂けはじめています。

有利な点は下に木を下ろせる十分なスペースがあることと経験を積んだグランドマンがそろっていること。

僕はこの作業で自分が考案した13 & 16リギングスリングを実戦投入することにしました。

1ヶ所だけプーリーを使ったのを除き(数が足りなかったためですが)全てリギングスリングを使ってみました。

スクリーンショット 2021-11-07 14.01.39.png

作業の流れ

まずクライミングアンカーを取るアカシアの裂けた二股をスリングで巻いて締め込み補強しました。

それからクライミングアンカーのセット。

ランニングボーラインでチョーキングしてSRTをセットしました。

 

そして根元が裂けて倒れたアカシアをロープでCA(クライミングアンカー)アカシアに繋いで落下防止対策(X-X)を施します。

リギングアンカーのセット。

ピントプーリーをCAアカシアのポイントAにセット。

リギングスリング(1リング)をその先のポイントBにセット。

ここが切った枝を地面まで下ろすポイントです。

ポイントB以外は全て枝が裂けていたり、根元が折れていたりして、アンカーとして使えたのはこの場所だけでした。

グランドのアンカーポイントにはポイントABを引っ張って荷重を分散しなおかつグランドワーカーが働きやすい場所を選び、そこにLサイズのポータラップを取り付けました。

まず倒れたアカシアの除去です。

倒れる時CAアカシアの枝を数本へし折ってから下にある数本の小さな木の上に乗ってしまっています。

どこから手をつけてよいか迷いました。

下には20,000ボルトの高圧線があるのですから失敗はできません。

結局先端部分は100kg以内に小さく切って吊り高圧線をかわしてドロップゾーンに下ろしていきました。

高圧線上の枝がすっかりなくなったところで、幹の部分を玉切りにして落としました。

CAアカシアに引っ掛かった部分を全て取り除いた後、根元までの部分をポイントAに付けたポータラップで下まで吊り下ろしました。

残りの枝を全て吊り下ろした後、ポイントBをセットした枝も I さんが吊り下ろして除去しました。

そのあいだ僕は次の作業の準備を進めました。

次の課題も根元が折れて上の枝がCAアカシアに寄りかかっているアカシア。

この木もCAアカシアと同じ様に二股部分が裂けていますが、ここにリギングアンカーを取りたかったのでここもスリングを巻いて補強しました。
さらにこのアカシア全体を補強するためリギングスリング(1リング)を取り付けそこにリギングロープを通して片側を近くのカラマツに固定し反対のエンドも倍力システムで引っ張ってからもう1本のカラマツに固定して3角形の補強を作りました。

このアカシアは下の桜と上のCAアカシアの2点に寄りかかっていますが、リギングスリング(2リング)で2番目のリギングアンカーを作りました(緑)。

リギングロープ(黄)をそこに通しさらにポイントAのピントプーリーにも通して荷重の分散をしています。

桜の枝は高圧線に当りそうだったため、切れた時にロープを繰り出し枝を横方向に振って下ろす方法をとりました。以下がその詳細です。

ⅰ)リギングアンカーポイントは枝に付けるスリングから横にずらして取る。
ⅱ)スリングは枝の重心に取り付ける。
ⅲ)グランドワーカーはリギングロープをしっかり引っ張って(場合によっては倍力システムで引き込む)ポータラップに巻き付ける。巻き数の調節がポイントです。(枝の重量をしっかり支えなおかつスムーズに下ろすことができること。)
ⅳ)受口を下側に入れる。真下でなくアンカーポイントの反対側に少しずらす。
ⅴ)追口をゆっくり入れていく。この時グランドワーカーはリギングロープをしっかり持っている。クライマーとグランドワーカーはしっかり連絡を取り合うこと。
ⅵ)枝が傾きはじめたら、グランドワーカーはそれに合わせてリギングロープを繰り出していく。枝はアンカーポイントの方に横方向に下がっていき、ある時点で切り離されます。枝の揺れが収まった所でドロップゾーンまで下ろします。
ロープを繰り出すタイミングが合えば衝撃はありません。

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バーティカルスピードライン

 

桜の除去が終わった時点でアカシアの大きな枝が4本残りました。4本とも裂けた二股から張り出していてそのまま切り落とすとワイヤーに当ってしまいそうです。これらの枝のどれかがCAアカシアに寄りかかっているのである時点でバランスが崩れて予期せぬ動きをするかも知れません。そこでこれらは『バーティカルスピードライン』を使って下ろすことにしました。下の写真は別の現場のものですがこれで説明していきます。

まず3角形の補強を締め直してから、
ⅰ)リギングスリング(1リング)を切り口より上の部分にチョーカーでセット。
ⅱ)受口を入れる。
ⅲ)リギングロープをリングに通してから受口の下に結ぶ。
ⅳ)グランドワーカーはリギングロープを下のアンカーポイント(ポータラップ)に多少たるみをつけて固定する。
ⅴ)追口を入れていく。

 

下の写真をみるとバーティカルスピードラインの様子がよく分かります。右の枝は単純に落下するのですが、枝はリギングスリングによって垂直に張られたロープを滑っていくため地面にぶつかってもはね返らずその場に引き止められます。

http://youtu.be/U_ZnzJkE-rU

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作業メンバー

Iwasa san, Suzuki san, Osaka san, Paul, Ootaki san, Sekini san, Matsuoka san, Railway staff.

 

リギングツール一覧

60M 12mm ダブルブレイド リギングライン (samson ナイストロン) + Tenex TEC スリング & スチールカラビナ

45M 16mm ダブルブレイド リギングライン (yale ポリダイン).

30M 10mm ヴェクトラン/ポリエステル リギングライン (english braid).

2x ポータラップ L + デッドアイスリング

1x ポータラップS + ウーピースリング

2x 16mmリギングスリング

1x 13mmリギングスリング

2x リギングリング付デッドアイスリング

1x ピントリグ +ルーピースリング

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