No.34 世界のSRTテクニック(2)
2018年、Wooden Hand は日本、ドイツ、ニュージーランド、イギリス、アメリカのクライマー達10人のSRTを紹介した小冊子を出版しました。これから毎月彼らを一人ずつこのページで紹介していこうと思います。
‘Light Weight’ 高柳 'チャーリー' 圭(日本)
「短いロープでも意外と仕事ができるし、短いと軽いじゃないですか。」
「ロープの長さは木の高さにぴったりかまあ大体の長さに合わせられます。アンカーにしばる分とリダイレクトの分を考えて、ちょっと長めにしています。」
「トランクアンカーにする時とかもっと長さが必要ならば、もう1本の短いロープを 'ヨーロピアンデスノット' で連結してやればOKです。」
「35m=3.4kg
束ねる時間=25秒
リーブスプライス=OK
半分の長さ=半分の値段」
2番目のクライマーは'チャーリー'こと高柳 圭さんです。チャーリーは僕がマルイチの現場で使っている様々なテクニックの中から自分に合ったものを取り入れて常に自分の技に磨きを掛けています。そんな彼の'軽量化'の取り組みを紹介したいと思いました。何故なら車から現場まで1〜2Kmも歩くことがある日本の状況では極めて大事だからです。
SRTは、『ロープ長半分 楽しさ2倍』 なんて言われていますが、そう DdRTで使う長いロープを途中で切ってしまい、残りの半分は必要に応じてツェッぺリンベンドやヨーロピアンデスノットで結んで長くして使ったり、トランクアンカー、トラバース、レスキューライン、回収ライン、ダブルシステム等々色々な使い方ができるのです。
難しいツリーワークをこなすにはクライマーの柔軟な適応力が求められます。そしてチャーリーの'ライトウェイト' システムはそれを可能にしてくれるでしょう。
ところで 'リーブスプライス' というのは自分の体重は支えられないが、スローラインや回収ボールを結ぶ目的で作ったスプライスのことです。