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 No.36  世界のSRTテクニック(4)

2018年、Wooden Hand は日本、ドイツ、ニュージーランド、イギリス、アメリカのクライマー達10人のSRTを紹介した小冊子を出版しました。​これから毎月彼らを一人ずつこのページで紹介していこうと思います。

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‘Dirch Dick Und Dunn (太いのと細いのを通って)’ ヴァレンティン ドレスリー(ドイツ)

 ヴァレンティン曰く、

僕が非常に役に立つと思っているテクニックがあります。このテクニックは難しいクライミングを強いられるところ、例えば狭い枝又の間を通り抜けて戻るような時に役に立つんです。

1.  クライミングロープの途中、枝又の上辺りに安全なアンカーポイントをセットします。僕はバディ(DMM)をよく使うのですが。

2.  次にランヤードを枝に回し、そこを臨時のアンカーポイントにして体を確保します。安全を確認したらクライミングシステムを外し、枝又をかわしてから再びハーネスに取り付けます。

3.  クライミングシステムに体重を移し直したら臨時アンカーを回収して登り続けることができます。振り子状態になりそうな時はランヤードまたはまだ枝又に掛けてあるロープのスタンディングエンドをゆっくりゆるめてそれを防ぎます。

ヴァレンティンにとってこの数年間は大変な時期でした。というのもドイツの道具に対する規則は非常に厳しく、SRT器具の使用は全面的に禁止されていたからです。この時期を通して彼は身体の負担軽減と安全に関してSRTが持つ有用性を訴え続け、ロープレンチのマニュアルをドイツ語に翻訳するといった活動をしてきました。おかげでドイツ国内でもロープレンチの使用が認められました。

Dirch Dick Und Dunn は初心者でも熟練者でも同様に役立つSRTの基本テクニックです。

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