No.37 世界のSRTテクニック(5)
2018年、Wooden Hand は日本、ドイツ、ニュージーランド、イギリス、アメリカのクライマー達10人のSRTを紹介した小冊子を出版しました。これから毎月彼らを一人ずつこのページで紹介していこうと思います。
‘One Rope Two Lines’ (1本のロープを2本に) by サム エヴァン ターナー(ニュージーランド)
サム曰く、
『最良のロープの長さは?と考えると、用途の多さと使い勝手の良さのあいだで妥協点を探すことになります。言いかえれば、長いロープだったら地面に届くだろうか?という心配もなく、どんな高い木のてっぺんにも届きますが、ロープが長くなればなるほどロープの重量が増して取り回しが大変になります。そのような事から一般的にはできるだけロープは短い方が良いということになりますが、日常作業で常にレスキューロープを(賢明にも)一緒にセットしようと試みると、再び重いロープを扱わなければならなくなります。
SRTワークポジショニングの多様性は無尽蔵にあり、ここに紹介した手持ちのロープを半分に切って使うということも簡単で素敵な技だと思います。この技なら必要な時にロープ全体をフルに使う事ができるのと同時に、短いロープの取り扱いやすさも共有できるのです。』
『アンカーは第1章 "Cake & Eat it" のフィギュア9ノットをブロックして作ります。』
『2本のロープは交互に使うことも同時に使うこともできます。』
サムは僕に’One Rope Two Lines' で使えるアンカーのアイデアを描いた絵を何枚か送ってくれました。それらは複雑な組み合わせで出来ていましたが興味深いものでした。僕も刺激を受けていくつか考えてみました。みなさんもノットブロックやロープのバイトを使ったアンカーのおもしろいアイデアがあったら是非僕のメールに送ってください。mail@thewoodenhand.com