No.38 世界のSRTテクニック(6)
2018年、Wooden Hand は日本、ドイツ、ニュージーランド、イギリス、アメリカのクライマー達10人のSRTを紹介した小冊子を出版しました。これから毎月彼らを一人ずつこのページで紹介していこうと思います。
‘Go Figure’ (エイト環使おうぜ ! または 解決しようぜ?) by マーカス アンダリー(イギリス)
『クライミングが出来なくなったクライマー(B)のレスキューを考えてみました。救助するクライマー(A)はSRT(大抵はトランクアンカー)で楽にクライマーのいる場所に辿り着いたのですが、そこからDdRTを使いたいのにそのロープがありません。そこで僕が考え出したやり方です。
AはヒッチまたはSRTデバイスを使ってBより上まで登ります。そこにエイト環をセットしてスリングを付けます。(1)
AはBのいる所まで降りたらスリングを外してBのブリッジリングにそれを取り付けます。(2)
それからAは自分のブリッジリングとBのブリッジリングをスリングで連結します。』
『Aは自分の体重でエイト環に繋がったBを支える事ができます。
Aが下降を始めるとBに繋がったスリングさらにエイト環を引き出すとAの体重もエイト環に乗って2人は下降を始めます。ヒッチコードの調整で2人はバランスを保ちながらエイト環にぶら下がって降りる事ができます。』
『AがBの下に位置するおかげで下にある枝をかき分けながら楽に下ろすことができます。』
『Aが下降を止めるとBはスリングの長さぶん下降します。その際エイト環がAのヒッチコードに当たらないよう注意しなければなりません。』
翻訳者のひと言: 『タイトルの 'Go Figure' はFigure Eight (エイト環) のFigure と 形づくる、何とかする、解決するという意味の Figure を掛けてつけてあると思います。』