No.40 世界のSRTテクニック(8)
2018年、Wooden Hand は日本、ドイツ、ニュージーランド、イギリス、アメリカのクライマー達10人のSRTを紹介した小冊子を出版しました。これから毎月彼らを一人ずつこのページで紹介していこうと思います。
‘Overlooked’ (見落とされたもの) by テイラー ハメル(アメリカ)
テイラーさんがこのSRTブックレットに加わってくれた事は2つの意味で非常に光栄な事です。1つには彼が僕がこの仕事を始めた時から注目し尊敬している人である事、2つ目はSRTの知識が豊富で実際に使っているにも関わらず彼は本来DdRTクライマーであり、その技術を推進している人だからです。というわけでテイラーさんが知恵を与えてくれると思いお願いしたら、このSRTに特化した小冊子のためにメッセージを書いてくれたのです。
テイラー曰く
『ブレイクスヒッチ以外のことをさほどやらないうちにDdRTからSRTに切り替える人たちがかなりいることが気になります。僕が思うに彼らは非常に大事な一連の技術を見落としていると思うのです。』
RT
『クライマーとして働く16年以上の間に、可能な限り色々なテクニックを(補助的な技も含めて)経験してきました。技の細かい部分にまでこだわったり、スプライスで道具を自作したり、ギアを改良したりと。これまでずっと学習と実験を続ける意欲を持ち続けてきました。しかしながら僕は自分の体を最大限に守りつつ目標が達成できるだけの十分なテクニックに囲まれて安住しているのだと言われるかもしれません。』
『それらは(順番は特にありません)
・SRTで真っ直ぐ登って
・インラインアンカー(固定されたロープにDdRTシステムを取り付ける)。登高システムを残しながら木の上で作業するのに都合が良い。このテクニックは複数のポイントで荷重分散してメインアンカーポイントをバックアップしたいときにも使います。(SRT、DdRTどちらを使うにしても)
・樹上ではDdRTで動く。僕の樹上作業の90%はDdRTを使い、SRTは垂直移動の時に使います。
・V- リグとアドイン プルージック。これを使うと作業が全く楽になります。みんなが覚えた方がいいと思います。
・フットアッセンダー はできるだけ使った方がいい。』